自己判断せずに緊急の場合、

または自分自身や他の人に危害が及ぶおそれがある場合は、ためらわずに「110番通報」をしてください。

他の相談窓口について「今すぐサポートを受ける」にアクセスして下さい。

​相談窓口やサポートを受けられない状況時に参考にして対応して下さい。

確実に自殺の危険性を予測することのできる面接法や質問表は考案されていません。

しかし、アセスメント(評価)を工夫することで、ある程度、その危険性を予見することは可能です。

自殺の危険因子

 ある人が「潜在的に自殺する危険性が高いかどうか」を客観的に評価するための項目として、以下のような危険因子があります。

​該当する項目数を数えて下さい。

☑​ 過去の自殺企図・自傷歴

過去に自殺企図や自傷歴(リストカットなど)があり現在はしていない。

☑​ 喪失体験

身近な者との死別体験など。

☑​ 苦痛な体験

いじめ、家庭問題、虐待など 

☑​ 職業問題・経済問題・生活問題 

失業、リストラ、多重債務、生活苦、生活への困難感、不安定な日常生活、 生活上のストレスなど 

☑​ 精神疾患・身体疾患の罹患およびそれらに対する悩み 

うつ病など精神疾患や、身体疾患での病苦など

☑​ ソーシャルサポートの欠如  

支援者がいない、行政支援などの社会制度が活用できないなど

☑​ 自殺企図手段への容易なアクセス  

危険な手段を手にしている、危険な行動に及びやすい環境があるなど

☑​ 自殺念慮・希死念慮 

自殺をしようという意志(自殺念慮)をもっている。

死ぬことを考えている (「死ぬことが出来るなら」、「死んでしまいたい」:希死念慮)。

☑​ 望ましくない対処行動 

飲酒で紛らわす、リストカット、薬物を乱用するなど (現在もしている)

☑​ 危険行動 

道路に飛び出す、飛び降りようとする、自暴自棄な行動をとるなど

☑​ その他 

自殺の家族歴、本人・家族・周囲から確認される危険性など

引用文献:

ゲートキーパー養成研修用テキスト 2011 平成 23 年度 内閣府自殺対策推進室 より引用・改変

自殺の危険度

Q.上記の自殺の危険因子に該当する項目がいくつありましたか?

自殺の危険度と危険因子の数

 軽   度(危険因子数 0~2)

 中等度(危険因子数 3~5)

 高   度(危険因子数 6~8)

 重   度(危険因子数 9以上)

■ 下記は、WHO から提示されている、危険度に応じた対応法例を改編引用したものです。参考に対応して下さい。

危険度重度】  

  

兆候と自殺念慮

・自殺の危険が差し迫っている。

自殺の計画

 自殺が切迫している

対応法例

► 安全の確保

►自殺手段の除去

►通報あるいは入院

 

自己判断せずに緊急の場合、

または自分自身や他の人に危害が及ぶおそれがある場合は、ためらわずに「110番通報」をしてください。

危険度【中等度】  

  

兆候と自殺念慮

・持続的な自殺念慮がある

・自殺念慮の有無にかかわらず

 複数の危険因子が存在する

(支援を受け容れる姿勢はある)

自殺の計画

 具体的な計画はない

対応法例

・傾聴

問題の確認

・危険因子の確認

・問題の確認と整理、助言

支援体制を整える

・継続

危険度【高度】  

  

兆候と自殺念慮

・持続的な自殺念慮がある

・自殺念慮の有無にかかわらず

 複数の危険因子が存在する

►(支援を拒絶する)

▼自殺の計画

 具体的な計画はある

対応法例

・傾聴

► 問題の確認

・危険因子の確認

・問題の確認と整理、助言

► 支援体制を整える

・継続

► 危機時の対応を想定し、準備をしておく

危険度【軽度】  

  

兆候と自殺念慮

・精神状態/行動の不安定

・自殺念慮はあっても一時的

自殺の計画

   ない

対応法例

・傾聴

・危険因子の確認

・問題の確認と整理、助言

・継続

引用文献:

平成 20 年度厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業 自殺未遂者および自殺者遺族等 へのケアに関する研究より引用・改変

 

〔つなぐ〕

適切な支援をおこなうために

関係機関を紹介するに当たって、一番重要なことは、相談者に「見捨てられた」という感じを与えないように配慮することです。

そして、紹介先がこちらの期待することをやってもらえるのかを把握する。

そのために、紹介先にどこまで引き受けてもらえるかを確 認しておくことが大切です。その上で、相談者の了解をとり、その機関の担当者に直接会うことが望ましいです。できれば、相談者が担当者と会う初めてのときには、相談者の意向を尊重しながらも、同行する等の配慮も望まれます。

■ 関係機関につなぐ際の留意点   

 

・ それぞれの機関のできること、できないことをケースに沿って把握しておくこと。

その ためには、関係機関情報をリストから得るだけでなく、直接電話などをし、打診をしておく必要があります。

・ 本人に「ここでできることには限界があるので、他機関と連携し、支えたいと思う」 と言って了解を求め、その機関担当者に会い、できれば、本人の状況、その機関に望む役割を確認しておきます。

そうして、ケース理解の方向性をある程度一致させ、役割分担を明確にしておきましょう。

・ 関係機関連携には、「協働(一緒に関わる)」と「リファー(他機関に関わりを任せる)」がありますが、「自殺」をほのめかす人は人間関係の構築に時間がかかることが多いので、できれば、「協働」から始めるとよいでしょう。

精神科につなぐ際の留意点

 

以下のような場合には、早期に専門の医療機関や相談機関への相談をお勧めします。(勧めてください)。

・ 相談者が精神障害に罹患している。

・ 以前にも自殺を図ったことがある。

・ 自殺、アルコール依存、精神障害の家族歴がある。

・ 身体疾患に罹患している。

・ 充分なサポートが得られない。

 

また、その際に本人対応では次のことが必要となります。

・ 時間をかけて、来院が必要な理由を説明する。

・ 偏見や精神科薬物療法に関する不安を和らげる。

・ 薬物療法が効果的であることを示す。

・ 来院することは相談者を「見捨てる」ことではないということを強調し、

「私はあなたを助けたいから紹介する」と気持ちを伝える。

引用文献:「相談の進め方 ~自殺にまつわる相談をめぐって~」 2008 東京都立総合精神保健福祉センター

情報提供、またはつなぐ各サービス

自殺は、健康問題や家族問題だけではなく、失業、倒産、多重債務、長時間労働の社会的な要因が複雑に関係していることを踏まえ、保健医療、福祉、心理、経済、法律等 の様々な視点からの支援が必要です。

適切な支援につなぐためにも、利用可能な福祉サービス、精神保健サービス、医療機関、救急医療サービス、法律サービス、公的機関・民間の各種相談窓口(電話・インタ ーネット等)、支援団体等の種々の情報について把握しておく必要があります。

当サイトでは可能な限り最新情報の掲載に努めています。

 

自殺を考えている人の心理

自殺念慮をもつ人と自殺を企図する人の心理状態

 

ほとんどの自殺者が、精神疾患に罹患した状態、あるいは心理的に追い込まれた状態にあり、次のような特徴が挙げられます。

あなたはこれらの特徴に留意して対応することが必要です。

(1)両価性:

ほとんどの人は自殺することに対して複雑な相反する感情を抱いています。

「生きたい」という願望と「死にたい」という願望の間を激しく揺れ動い ています。

生きていくことの苦しみから逃れたいという衝動とともに、「生 きたい」という願望がともに存在しているのです。

自殺の危険の高い多くの人は 実際には「死にたい」わけではなく、むしろ、人生に満足していないと言うべきです。適切な援助が差し伸べられれば、生の願望は増し、自殺の 危険は和らいでいきます。

 

(2)頑固さ:

適切な援助が得られない状況が続くと、思考・感情・行為が非常に幅の狭いものになり、自殺の危険が高まっていきます。

常に自殺のことばかりを考え、問題を解決する他の方法を考えられなくなってしまい、全か無(all or nothing)思考などの、ひどく極端な思考に陥っています。

他の可能な選択肢を探っていき、たとえそれが理想的なものではないにしても、 他にも解決策があることを示す必要があります。

 

(3)衝動性:

自殺の危険性が非常に高まっている状況では、衝動的な自殺行為が生じやすい。

他の衝動と同様に、自殺衝動も一過性のものであり、数分あるいは数時間しか続かない。

この衝動性はごく日常的な不快な体験から引き起こされるのが一般的です。そのような危機的状況を解決するか、 あるいはしばらく時間をかせぐことによって自殺の願望を減らすのに助力することできます。

引用文献:自殺と防止対策の実態に関する研究研究協力報告書研究協力者 高橋祥友より引用・改変

自殺を考えている人の心理(2)

 

自殺の危険を抱えている人を支援するときには、傾聴することが大切です。そして、 悩む人のことを理解しようとするときに、自殺を考えている人の心理を知ることが重要です。

絶望感:「もうどうすることもできない」と絶望する気持ち。

孤立感:「誰も助けてくれない」、「自分はひとりきりだ」と孤独を感じる気持ち。

悲嘆:「悲しい」と思う気持ち。

焦燥感:「いますぐに何とかしないといけない」と焦る気持ち。

衝動性:切迫して、すぐさま自殺行動や危険行動をしかねない状態。

強い苦痛感:「苦しい」、「辛い」と思う気持ち。

無価値感:「生きる価値がない」、「生きる意味がない」、「自分なんかいない方いい」と自分に価値がないと感じる気持ち。

怒り:他者や社会に対して強いいきどおりを感じる気持ち。

投影:自分の感じている気持ちを、まるで相手が感じているかのように考える。

相手は本人が悪いとは思っていないのにもかかわらず、「どうせ私が悪いって思って いるんでしょ」と考える等。

柔軟性がない考え方:幅広い視点で考えられず、「自殺以外に解決法はない」、「問 題は解決できない」などと考えること。

否認:現実のことを認めることができない状態。

将来の希望がないという見通しのなさ:「どんなことをしても何もかわらない」、「こ の辛さはいつまでも続く」と考えること。

諦め:「もうどうなってもかまわない」、「もうどうすることもできない」とあきら めてしまうこと。

解離:普段の意識状態ではなくなり、今ある現実と考えや気持ちに断絶が起きてい る状態。「何をしたのか覚えていない」、「周りの状態に対して現実感がない」等。

両価性:「生きたい」という気持ちと、「死ぬしかない」という気持ちをゆれうごく 状態。

自殺念慮:「死にたい」、「この世からいなくなりたい」など自殺するしか解決する方法はないという考え。

 

時に自殺の危険性が高い人ほど、「助けてくれなくていい」、「誰も信じられない」、「お前に何がわかる」、「……(無言)」、「死なせてくれ」と話し、援助を拒否することがあります。

しかし、支援者は、自殺を考えている人の背景にこのような心理状態がある可能性を 踏まえて対応することが大切です。

引用文献:自ゲートキーパー養成研修テキスト厚労省より引用・改変

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参考文献/参考資料
サイトに記載以外のサイトを作成する上で参照しうる参考資料 コチラ