大切な人を助ける
自殺の警告サイン

自殺について考えているなら、何かがおかしいと言う可能性のある行動や身体の変化もあるかもしれません。
微妙かもしれませんが、1つまたは2つではなく、いくつかの兆候に気付く可能性があります。
誰もが異なっており、これらの考えや感情に対して異なる反応をすることを忘れないでください。
うつ病やアルコール依存症などの精神疾患の早期発見とその後の適切な治療の継続を確認することが自殺予防にとって重要です。また、以下のような自殺の警告サインを理解することも重要です。
兆候が重なっているようなら、念のため、死にたい気持ちが生じている可能性を疑ってみる必要があります。
まずは話を聞いてみる。場合によっては、専門家に相談するなどの対処を考えましょう。
あなたの大切な方に、こんな症状はありませんか?
話す言葉の変化
▶ 自殺をほのめかす。
(例)「知っている人がいない所に行きたい」、
「夜眠ったら、もう二度と目が覚めなければいい」などと言う。
▶ 自分を責める言葉を口にする。
(例)「これ以上、家族や同僚、皆に迷惑をかけられない」
▶ 自分が死ぬと家族が貧困に陥ることを口にする。
(例)「俺がいなくなったら家族が路頭に迷う」
▶ 職場での将来に関して、絶望的な状況を口にする。
(例)「誰も自分を必要としない」「将来、希望なしだ」
体の症状での訴え
▶ 感情が不安定になる。突然、涙ぐんだり、落ち着かなくなる。
▶ 不眠・夜中に何度も目が覚める・早朝覚醒など。
▶ 特に朝~午前中に疲労感が強くなる。
▶ 頭が重い感じ、肩こり、腰痛などの痛みが増強する。
▶ 便秘・下痢などの消化器症状が起きたり、トイレの回数が増える。
行動の変化
▶ 交際が減り、部屋に引きこもりがちになる。
▶ 新聞・テレビを見なくなる。
▶ 多量の飲酒や薬物を乱用する。
(食欲低下・深酒・酒がまずいなど)
▶ 身なりに構わなくなる。
▶ 怒りっぽく、周囲の音に敏感になる。
▶ 激しい口論やけんかをする。
▶ 注意が集中できなくなる。
軽い怪我や交通事故を繰り返す。
▶ これまでの抑うつ的な態度とは打って変わって、
不自然なほど明るく振る舞う。
▶ 周囲の状況に合わない感謝を表現したり、
大切なものを人に譲るなどの行為をとる。
▶ 死にとらわれる。自殺についての文章や詩を書いたり、
絵を描いたりする。
今、あなたができる10のサポート
1. 相手は必ずよくなると信じる
決して見捨てず、あきらめず、死にたいという気持ちは必ず変わると信じましょう。自殺未遂した人であっても、その後、「馬鹿なことをした」と思い直して、人生をやりなおしている人はたくさんいます。
2. 手紙やメールで「気にかけている」というメッセージを送る
うつの人は電話や面会には応じないことが多いのですが、手紙やメールなら読んでもらえます。何気ない内容でも、「自分を見てくれている」という救いになる可能性があります。
3. うつの人に「頑張れ」は禁句
通常は励まされると元気が出ますが、うつの人は「これだけ頑張っているのに分かってもらえない」と、かえって孤立感や絶望が強まりやすいものです。
4. とことん話を聴くこと
死にたくなる人の多くは「自分はだれにも愛されていない」と思っています。じっくり話を聞いてもらって理解された人は、「自分は愛された」と感じるものです。まずは相手に関心を持ち、相手が何を求めているのか、悩んでいるのか、しっかりと聞いてあげましょう
5. 「死にたいと思うことはないか」と聞いてみる
以前はタブーとされていましたが、最近はむしろ、言葉に出したほうが抑止力があるとされています。「分かってもらえた」と思って、相手が心を開くこともあります。
6. 「あなたが死んだら私は悲しい」と伝える
この一言で、飛び降りようとしている人を救ったケースもあります。
親しい相手なら「いてくれるだけでありがたい」などの言葉でも、相手にちゃんと伝わるはずです。
7. 相手の苦しみや悲しみを分かち合う
励ましよりも「つらいね。大変だね」などと心から共感されることで、相手は心を癒されます。
8. 「自殺しても楽になれない」ことを伝える
多くの人の経験によれば、この言葉は相手の目を覚ます力があります。
この言葉で自殺という選択肢がなくなり、ではどうすればいいのかと、心の向きが変わってきます。
9. 「自殺は絶対しない」と約束してもらう
うつなどで苦しむ人は、たいてい生真面目に約束を守るタイプ。
「自殺はしないで」「来週また会おう」などの約束が命綱になることも少なくありません。
10. 専門家の助けを借りる
死にたくなるのは、決して変なことでも恥ずかしいことでもありません。
国と多くの市町村には無料で相談できる機関があるので、早めに相談してみましょう。